A型肝炎、B型肝炎という病気の名前を聞いたことがある方は多いと思います。
特にB型肝炎については、集団感染への賠償についてなどCMが流れることも多いのでご存じの方は特に多いでしょう。
今回は、こういった「肝炎」が実は性行為を介して感染する可能性があること。
そしてあらかじめワクチンを打っておくことで感染を予防できる、といったことを中心に解説していきます。
セックスにおける感染リスクがあり、肝臓に炎症を起こすこわい病気である肝炎。
性交渉の機会が多い風俗嬢やパパ活女子の方は、予防のために要チェックです。
A型肝炎とは
まずは、A型肝炎についてわかりやすく紹介します。
B型肝炎と比べて耳にする機会の少ない感染症ですが、しっかりチェックしておきましょう。
A型肝炎の症状
A型肝炎のウイルスに感染すると、下記の症状が現れます。
・急な発熱
・全身のだるさ
・食欲不振
・吐き気
・嘔吐
風邪に似た症状が続いた数日後、皮膚や目の白い部分が黄色くなる“黄だん”がでます。
ウイルスの潜伏期間は2~7週間と、人によってかなり幅があります。
子どもよりも大人が感染した場合の方が重症化しやすいA型肝炎。
高齢になればなるほど重症度と死亡率が高くなります。
A型肝炎に感染した場合、症状が出る前、そしておさまった後でも数週間の間は身体からウイルスを排泄し続けるため他人へ感染させるリスクが高く注意が必要です。
A型肝炎の原因
A型肝炎がどのように感染するかというと、代表的なのは排泄物。
ちょっと汚い話ですが、排泄物から人の手を介してウイルスが移動し、飲み物や食べ物から口に入ることで感染します。
食べ物を介して感染するため集団感染もありえます。
また、セックスの際にウイルスが移動して感染することもあります。
B型肝炎とは
続いては、耳にする機会も多いB型肝炎について解説していきます。
B型肝炎の症状
B型肝炎には、急性と慢性の2種類があります。
急性B型肝炎に感染すると、下記のような症状が現れます。
・全身のだるさ
・食欲不振
・吐き気
A型肝炎と同様、発症後に黄だんが出てくることもあります。
B型肝炎は重症化する可能性が低く、ほとんどの場合は自然と回復します。
しかし、感染者の1〜2%は“劇症肝炎”という死亡率の高い病気に進行する可能性があるのが怖いところ。
一方で症状にまったく気づかず、自然に治ってしまう人もいます。
慢性B型肝炎の場合、自覚症状は患者自身が気づかないほどにしか現れません。
疲れやすい、食欲があまりないという程度の症状しかなく、健康診断などの血液検査で肝機能の数値から判明することが多いです。
そこまでダメージのある病気に聞こえないかもしれませんが、慢性B型肝炎になると肝臓がんのリスクが非常に高くなります。
B型肝炎の症状に気づかないうちに肝臓がんにまで進行してしまうこともあるため、実は怖い病気なのです。
B型肝炎の原因
B型肝炎の原因となる感染経路は大きく2種類に分かれています。
1つは、B型肝炎ウイルスに感染した母親から赤ちゃんへの感染で、“垂直感染”と呼ばれるもの。
一昔前は、B型肝炎の多くは母子感染によるものでした。
しかし1986年以降は国をあげて、B型肝炎の母子感染を防ぐ事業が実施され、現在では母子感染の事例が非常に少なくなっています。
もう1つはそれ以外による感染経路で“水平感染”と呼ばれるものです。
水平感染には、さまざまな感染経路があります。
・集団予防接種など注射器の使いまわし
・父子感染
・ピアスをあける器具の使い回し
・不衛生な器具による医療行為
ほかにも、セックスでもB型肝炎ウイルスに感染します。
風俗嬢やパパ活女子はA・B型肝炎のリスクが高い
A型肝炎、B型肝炎について詳しく紹介してきましたが、これらの肝炎はセックスを介して感染する可能性は十分にあります。
挿入アリのセックスはもちろんのこと、挿入なしの疑似行為でも感染リスクがあるため、「本番はしていないから大丈夫」ということはありません。
ということは、性的な接触が必然的に多くなる風俗嬢やパパ活女子は、そのほかの女性に比べるとA・B型肝炎の感染リスクが高いということ。
十分に感染対策を取っておかないと、知らない間に肝炎に感染してしまうかもしれません。
コンドームの着用をすることで感染リスクを下げることは可能ですが、100%感染を予防することは不可能。
いつの間にか肝炎になり、それに気づかず自覚症状が出る前に取り返しがつかないほど重症化してしまう例もあります。
風俗で働く女性やパパ活女子は、性病検査と合わせて肝炎の検査も定期的に行う必要があるでしょう。
ただし、コンドームの使用以上に感染リスクを下げる方法が存在します。
次の項目で詳しく紹介していきます。
A・B型肝炎は予防できる!打っておきたいワクチンを紹介
A・B型肝炎は意外と身近で怖い病気ではあり、とくに風俗やパパ活で稼ぐ女性は感染リスクが高いため注意が必要です。
そこでオススメしたいのが、A・B型肝炎への感染をあらかじめ予防できるA型B型混合ワクチンの接種。
世界的に見るとかなり広まっているワクチンであり、Twinrix®と呼ばれるものがもっとも一般的です。
感染を過度に恐れなくても、現代ではワクチンによってA・B型肝炎への感染をある程度防ぐことが可能なのです。
A型B型肝炎混合ワクチンの料金
A型B型肝炎混合ワクチンの料金はクリニックによって若干異なりますが、12,000~16,000円程度で接種できることがほとんどです。
詳細な金額を知るには、対応しているクリニックに直接問い合わせてみてください。
A型B型肝炎混合ワクチンの接種回数
A型肝炎・B型肝炎混合ワクチンのなかでももっとも世界的に使用されているTwinrix®は、全3回の接種になります。
初めての接種、そこから4週間後と半年後に1回ずつの計3回の接種で予防効果が見込めます。
副反応が心配な方もいるかもしれませんが、
・頭痛
・倦怠感
・吐き気
・一時的な発熱
・接種部位の痛みや腫れ
など、ワクチン接種全般で見受けられるものがメインです。
A型B型肝炎混合ワクチンの効果はどのくらい持続する?
A型B型肝炎混合ワクチンを既定の回数接種することで、そこから10~15年程度はワクチンの効果が持続すると言われています。
一回の金額を見ると高く感じるかもしれませんが、効果の持続期間を見ると割安と考えてよいと思います。
A型B型肝炎混合ワクチンを打つ際の注意点
最後に、A型B型肝炎混合ワクチンを打つ際に知っておくべき注意点について紹介します。
A型B型肝炎混合ワクチンTwinrix®は国内未承認
A型B型肝炎混合ワクチンとして世界中で使用されているTwinrix®は、実は日本国内では未承認のワクチンです。
日本で接種する場合は輸入ワクチンを使うことになり、これは厚生労働省による安全性の確認が完全に行われているわけではありません…。
世界では広く使われているワクチンのため安全性に問題があるわけでは決してありませんが、国内未承認であることにはデメリットもあります。
国内承認済みのワクチンの場合、万が一なんらかの副作用や後遺症が発生した場合は国の救済措置や保証が適応されることになります。
しかし、国内未承認の輸入ワクチンによって副作用や後遺症が発生した場合、同様の救済措置や保証は適用にならないのです。
それぞれのクリニックで加入している保険がある場合はそちらの保険が適用される可能性が高いですが、最悪の場合は自己責任となることもある、と覚えておきましょう。
A型B型肝炎混合ワクチンの接種目的について
本来A型B型肝炎混合ワクチンは、セックスなど性的な接触による感染予防として推奨されているわけではありません。
基本的には、A型・B型肝炎の感染リスクが高い海外に渡航する目的がある場合に推奨されているものです。
風俗やパパ活で生計を立てているなかで感染症が不安になりワクチンを接種する場合でも、目的については海外渡航ということにしておいたほうが嫌な思いをせずに済みます。
クリニックによっては、ワクチンの接種目的としてセックスを介した予防となると、理解を得られない可能性があるので気を付けましょう。
どんな事情でワクチン接種を希望するにしても、アジアやアフリカ、中南米への海外渡航前の予防医療として接種する…ということにするのがオススメ。
細かいところまで確認されることは無いので過剰に不安になる必要はありません。
まとめ
耳にする機会の多い肝炎ですが、中でもA型・B型肝炎はセックスやそれに近い行為によって感染するリスクがある病気です。
風俗で働く女性やパパ活女子は、普段から感染のリスクが高いということになるため、感染を予防するためにもA型B型肝炎混合ワクチンの接種がオススメ。
風俗で働く女性の中にはすでに混合ワクチンを接種している方も大勢います。
A型B型肝炎混合ワクチンは国内未承認ではあるものの、世界中で使用されているワクチンなので安全性が低いものではありません。
感染症のリスクを下げるため、ぜひ一度ワクチン接種を検討してみることをオススメします!