世界的に問題となっている恐ろしい病気、HIV(エイズ)。
HIV(エイズ)は性的な接触を介して感染するものであり、セックスをする機会のある人には誰にでも感染リスクがあります。
しかし近年、HIV(エイズ)を飲み薬によって予防する方法がでてきました。
それがHIV(エイズ)予防薬PrEP(プレップ)です。
今回は、毎日飲むだけでHIV感染リスクを格段に下げることが可能なPrEPについてわかりやすく紹介します。
一度かかってしまったら完治させることは現状不可能なHIVを、前もって予防しましょう。
HIV(エイズ)とは?
HIV(エイズ)とは、「ヒト免疫不全ウイルス」を略した呼び方になります。
HIV(エイズ)は一度人間の体に入ると、本来病気に抵抗する免疫の役割を果たす細胞の中で増殖。
さまざまなウイルスに抵抗できない身体になってしまい、普段ならほぼ感染することの無い深刻な病気の病原体にも感染しやすくなってしまうのです。
ただし、HIVに感染した=エイズになった、というわけではありません。
SIVへの感染とエイズは別物です。
エイズ感染を判断する代表的な23の疾患が決められており、HIVウイルスへの感染によって体の免疫が働かなくなりそれらの病気を発症した時点で、エイズを発症したということになります。
HIV(エイズ)の予防薬「PrEP」(プレップ)とは
様々な病気の発症原因となる恐ろしいHIVですが、近年PrEPという予防薬によって感染のリスクを格段に下げられることがわかっています。
PrEPは、ちょっと小難しいですが医療用語でいうと「曝露前予防内服」と言います。
曝露(ばくろ)とは、病気の要因となるものを取り込んだり、危険にさらされたりすることを意味する言葉。
PrEPは、事前に薬を服用してHIV感染を予防する方法なのです。
ただしく服用すればHIV感染の予防率99%ともいわれています。
HIV(エイズ)感染リスクの高い女性はPrEP服用を考えよう
HIVは「血液感染」「母子感染」などいろんな感染経路がありますが、世界的に見ても最も多いのが「性的感染」です。
現に、PrEPの服用は下記の方に強くすすめられています。
・性的接触、セックスの頻度が高い
・性感染症になったことがある
・セックスの際にコンドームを使わないことがある
・風俗関係の仕事をしている
風俗嬢やパパ活女子など、普段から性的な接触がどうしても多くなってしまう女性こそ、PrEPによるHIV予防は前向きに考えた方が良いと言えるでしょう。
PrEP(プレップ)の飲み方2パターンを紹介
飲むHIV予防薬であるPrEPは、飲み方に大きく2つのパターンがあります。
それぞれの服用方法を簡単に紹介していきます。
デイリーPrEP(プレップ)
デイリーPrEPとは、1日1回の服用を毎日継続する飲み方のこと。
なるべく同じ時間帯の服用をひたすら続けるだけなので、とても簡単です。
オンデマンドPrEP(男性専用)
オンデマンドPrEPとは、性行為の前後に薬を服用する方法です。
デイリーPrEPとは違い少々変則的なので、間違った飲み方には注意が必要です。
性行為の24時間前~遅くとも2時間前までに、2錠服用
その後、24時間ごとに1錠ずつ服用
性行為が連日ある場合は1錠ずつの服用を続け、最後の性行為後に24時間ごとの2回服用を経て完了
性行為があるたびに上記を繰り返す
注意点として、こちらのオンデマンドPrEPはゲイもしくはバイセクシャルの男性専用の服用方法であるということがあげられます。
女性のHIV予防目的としてはデイリーPrEPの服用方法でなければ意味がないので、間違えないようにしましょう。
PrEP(プレップ)は誰でもできる?外来でチェックされることと必要な検査
HIVは誰にでも感染の危険性があるおそろしい病気ですから、PrEPに興味を持った方も多いのではないかと思います。
しかし実はPrEPは、誰でもできる予防法ではありません。
それはなぜなのか、下記で解説していきます。
PrEP(プレップ)は受けられない人もいる
外来で医師による診察を受けた結果、PrEPができないと判断されることがあります。
どんな薬でもそうですが、人によってさまざまな持病や異なる体質があり、処方ができなかったり服用が禁止されたりすることがあります。
PrEPも同様で、誰でも服用できるわけではないのです。
PrEPが受けられないのは下記の方々です。
すでにHIVに感染している人
B型肝炎ウイルスに感染している人
腎臓が悪い人
PrEPの服用開始に当たっては必ず医師の診断があるため、外来でいくつものチェックを受けたうえで服用できるかどうかが決定します。
PrEP(プレップ)開始前に必要な検査は3つ
PrEPを服用できるかどうか医師が判断するため、希望する方は全部で3つの検査を受けることになります。
・HIV検査
・B型肝炎の検査
・腎機能の検査
上記をクリアした方のみ、PrEPをスタートさせることができます。
ただし、服用開始後も3か月に一度はHIVと腎機能の検査は必須。
PrEPを継続しても問題がないか、必ず定期検査を受けることを忘れないで下さいね。
PrEP(プレップ)に関するQ&A
最後に、PrEPに関して今後服用したい方が抱きやすい疑問に、まとめてお答えしたいと思います。
PrEPにかかる費用は?
PrEPが出始めたばかりのころは非常に高価で、なかなか一般人が手を出すのはむずかしいものでした。
しかし最近は、ジェネリック製品が出るなどして価格が少しずつ下がり、安いと薬代だけで1か月分8,000円程度から購入することが可能です。
ただし処方するクリニックによって値段に差はあるので、前もって確認するようにしましょう。
PrEPの副作用について
PrEPの服用による副作用としては、下記のものが報告されています。
・吐き気
・腹痛
・下痢
・頭痛
ただしこれらの症状は軽く、ほとんどの場合数週間でおさまります。
長期的にPrEPを服用した場合、腎機能の低下や骨密度の減少などが副作用として考えられます。
だからこそ定期的に腎機能の検査を行うわけですね。
骨密度に関しては、仮に低下したとしてもPrEP服用を中止すれば回復します。
PrEPを飲んでいてもHIVになることはある?
先述の通り、PrEPを正しく服用すれば、99%の確率でHIV(エイズ)感染を予防すると言われています。
ただしPrEP開始時の検査で本当はHIVに感染していたにもかかわらず反応が出ず感染がわからなかった場合は、当然服用後でもHIV陽性になることはあります。
また、飲み飛ばしや飲み忘れ等PrEPを正しく服用できなかった場合はHIVに感染するリスクはあるため陽性が出る可能性も出てきます。
デイリーPrEPを飲み始めてから効果が出るまでの期間は?
PrEPによるHIV(エイズ)予防の効果が出るまでの期間は個人差があります。
ゲイの男性による肛門セックスの受け入れ側についてはPrEP開始から約7日。
通常のセックスの受け入れ側については、効果が出るまで20日程度かかります。
デイリーPrEPについては服用開始からすぐに効果が出るわけではないので注意しましょう。
まとめ
全世界で恐れられているHIVですが、PrEPを正しく服用することによってなんと99%の確率で予防が可能です。
HIVの感染経路は性的接触が大半のため、風俗やパパ活など不特定の相手と性的な接触を持つ機会のある女性は感染リスクが高くなります。
だからこそ、今からPrEPを服用し、HIVへの感染を予防しませんか?
取り扱いのあるクリニックは増えてきていますので、ぜひ検討してみてくださいね。